Mr.フレイトからの、日本のパンフレットの英語翻訳についての伝言

「パンフレットを他言語に翻訳するときは、元の表現を真に受けるとなかれ」とは、知る人ぞ知るパンフレット研究家 パーム・フレイトさんの言葉です。

 

パームさんが、日本のパンフレットを英語に翻訳するときに気をつけることをお話になっています。

 

少し彼の言葉にそっと耳をすましてみましょう。

 

 

ホテルとその周辺の観光スポットを紹介するパンフレットを、誰もが一度は見たことがあるだろう。

そのパンフレットには、素敵なカフェや楽しいアミューズメントパークの魅力がところ狭しと書かれており、また、ホテルからのアクセスがとても細やかに書かれている。

 

そのパンフレットは、その地を知らない外国人にとってとても友好的なもので、いろんなことが書かれている。その友好的なパンフレットは、残念ながら、細かすぎて文字が小さくて、読む気になれないのだ。

 

日本のパンフレットは、そう、情報が多すぎる。それも不要な情報がパンフレットの結構な割合を占めているのである。

 

一例を挙げてみよう。

 

よく「駅から約○分」「徒歩で約○分」「ICを降りてから約○分」、こういった文言が見られる。

私なんかから見ると、それにしたって約何分、だいたい何分、およそ何分と、なんだか言い訳がましい言葉が並んでいる。

10分と書かれていて、それが12分だろうが、15分だろうが、早く歩いて9分だろうが、私たちはそんなの興味がないんだ。時間のずれによって、しかも数分というずれで何か困ることが起きるわけではないのだから。

日本人は1分の誤差にこだわるのかい?私は、もっと他の、楽しいことにこだわりたいんだ。たとえばその10分を誰と歩くのか、アイスを手に持って歩くのか、日本の伝統的な食べ物「Onigiri」を食べながら歩くのか。

 

これはつまり、advanced excuse(言い訳の前倒し)なんだよ。

 

私はパンフレットの製作に関わる人にこう言いたい。

あなたが今、準備しているパンフレットは、誰も期待していない言い訳の前倒しをしていないかって。

それをそのまま英語に翻訳してごらん。

この施設まで Approximately 10 minutes(約10分)

あのイベント会場まで Approximately 15 minutes(約15分)

あそこのカフェまで Approximately 9 minutes(約9分)

駅を降りてから Approximately 8 minutes by walk(徒歩で約8分)

 

どうだい?言い訳の前倒しが、いつのまにか、Approximately(約)の押し売りになっていないか?それも、パンフレットというとても大切で限られたスペースの中でだよ。

 

考慮すべきなんだ。そのまま英語にしちゃだめなんだよ。

でもクライアントの意向を忠実に反映しなきゃいけないのは、分かってる。そこを翻訳会社とうまくやってほしいんだよ。

そうすることで、結果として、外国人観光客があなたのクライアントを気に入ると思うよ。

 

 

 

いかがでしたか?

どうやらフレイトさんは、日本のパンフレットは細かすぎて、それをそのまま英語にすると、優れたパンフレットにならないのではないか、と心配しているようです。

 

このフレイトさんからの伝言を受けまして、私たちタイナーズも、お客様からのご依頼で思い当たる節があります。

 

「約○分」という文言は、たしかに散見されているように思います。

しかも、これを英語に翻訳すると、Approximately ○ minutesというように、Approximatelyがとても長いのです。これがパンフレットで連発されることになり、妙にApproximatelyが強調されるようになります。

Approximatelyは略すこともできますが(approx.)、しかし、パンフレットというその会社さんの正式な案内の中で略した表現を用いるのは、それはそれで違和感があります。

 

いっぽう、aboutという言葉も、「約、おおよそ、だいたい」という意味を持っています。aboutという言葉を使うことができれば、短い単語ですので円滑なのですが、aboutは少し表現が柔らかく、やはりその会社さんの正式な案内の中で用いるのは軽薄に感じる可能性があります。Approximatelyは、とりわけ印刷物に、おおよその距離や時間を表すときに使る、スタンダードな単語です。

 

つまり、Approximatelyを用いるほかないのですが、「長い!」というのもありますが、そもそも、アクセスのところで「約○分」を連発することのほうが改善の余地があるような気がします。

 

ですが、お客様のクライアント様のご要望ですから、むげにカットできないという事情もありますし、この辺のところは、ご依頼いただいた際に細やかにお打ち合わせさせていただいています。

 

 

パンフレットやカタログの翻訳サービスはこちらです。

http://www.tiners-p.com/pamphlet.html

 

※パーム・フレート氏は、私たちのパンフレットへの思いをお伝えするために登場させた架空の人物です。

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