パンフレットに見る日本語的な英語

当社では、パンフレットの翻訳を行っていますが、たまに出会うのが日本語的な英語です。

日本語のパンフレットの中には、ワンポイントで英語表現を用いている箇所もあれば、そもそも製品名が英語である場合もあります。

その中で、日本人には意味が分かるんだけど、ネイティブが見れば「ん?」と感じる英語表現が、まれにあります。

今回は、このような「英語としては正しくないが、パンフレットで使われている日本語的な英語の言葉」をピックアップしました。

化粧品・美容系でよくあるもの

rouge(ルージュ)
日本では「口紅」という意味で定着しているが、英語では rouge はやや古風で、「チーク」などの意味合いもある。今は lipstick が普通。

cream
日本語では「美容液」も「クリーム」っぽく呼ばれるが、英語で cream は基本的に乳状のもの。ジェルやエッセンスを cream と呼ぶのはズレがある。

essence
日本語の化粧品では「美容液」という意味でよく使われるが、英語で essence は「本質、香りの抽出物」で、スキンケア用語としては通じにくい。

lotion
日本語では「化粧水」のことだが、英語で lotion は「乳液状の塗布剤」を指すことが多く、化粧水はむしろ toner と言う。

ファッション・生活系

pants
日本語で「ズボン」の意味で使われるが、英語の pants は主に「下着(パンツ)」を指す(米英でニュアンスも違う)。

one-piece(ワンピース)
日本語では「ワンピースのドレス」だが、英語では one-piece だけだと水着を意味することが多い。

shirt
日本語で「ワイシャツ(Yシャツ)」と混同して使われがちだが、英語では shirt は全般的なシャツで、「ワイシャツ」限定ではない。

tights / stockings
日本語ではどちらも混同して「タイツ」「ストッキング」と呼ぶが、英語では生地の厚みや用途で違う。

食品・飲料系

cider(サイダー)
日本語では「透明な甘い炭酸飲料」だが、英語ではアルコール入りの「りんご酒」。

juice
日本語では「清涼飲料」全般を「ジュース」と言うが、英語で juice は基本的に「果汁100%」を意味する。

sand(サンド)
日本語で「サンドイッチ」の略だが、英語では通じない。sand は「砂」。

その他広告で見かけるカタカナ英語

image(イメージ)
日本語では「印象」「雰囲気」という意味で頻出するが、英語で image は具体的に「画像」や「姿」を指すことが多い。

smart
日本語の「スマート」は「細身」「洗練」イメージがあるが、英語では「頭が良い」「小ぎれい」が主。

mansion(マンション)
日本語では「集合住宅」だが、英語で mansion は「豪邸」。

consent(コンセント)
日本語で「電源差込口」だが、英語で consent は「同意」。英語では outlet や socket が正しい。

 
どうでしょう。

なんだか身に覚えがあると言いますか、なるほどという表現ばかりですね。

これらに共通するのは誤字ではなくて、日本語的な英語ということ。
そういう意味では、日本人向けのパンフレットの中にあるワンポイントとしての英語表現としては、案外、これらを用いたほうがスムーズな場合もあります。

 

あっ、でもone-pieceは、音だけ聞けば「ひとつなぎの大秘宝」かもしれませんね。

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成績証明書に翻訳証明が必要になるケース

先日、インターナショナルスクール(高校相当)を卒業された方から、成績証明書の翻訳(日本語訳)依頼をいただきました。目的は、国内の大学受験に出願するためとのこと。

海外の学校やインターナショナルスクールの卒業生が日本の大学を受験するケースは年々増えているように感じますが、今回改めて「成績証明書って翻訳が必要なんだな」と実感しました。

翻訳証明も求められる

印象的だったのは、翻訳証明書も一緒に提出する必要があるという点です。

最初は「そこまでする必要があるのかな?」とも思いましたが、よく考えてみると、成績を正式に証明する書類ですから、内容の正確性を担保するために第三者による翻訳が証明されるもの(つまり、翻訳証明)が求められるのは納得できます。

どの大学でも必要?

今回のケースでは、翻訳証明付きの提出が求められていましたが、大学によっては

  • 翻訳証明なしでも受理される場合
  • 自己翻訳でも認められる場合
  • 翻訳が不要の場合

など、対応が大学ごとに異なる可能性があります。

ですので、こういった書類を準備する際には、出願先の大学の募集要項や提出書類の条件を必ず確認することが大切ですね。

 
 
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卒業証明書の英訳(日本の学校発行)と日本語訳(海外の学校発行)

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結婚式での挨拶 日本語と英語の併用

以下、当社のスピーチ原稿業務の事例をアップしました。

事例紹介:結婚式 スピーチ 英語での作成
https://speech-maker.net/5834

 
ここでは、翻訳側から見たポイントを列挙します。

 
ひとえに、当社の強みが発揮された事例であり、「スピーチ原稿作成のノウハウ」×「日本文化を理解した翻訳力」 の掛け算で実現できたものだと思います。

 

1. 日本語特有の挨拶構造を理解していること

・日本の披露宴挨拶は、感謝・謙譲・場を整える前置きが中心。
・その背景や意味合いを理解しているからこそ、英語圏の人に「ただの儀礼」ではなく「心からの気持ち」として伝わるよう表現を工夫できた。
 
2. 文化的置き換えができること

・例えば「本日はご多用のところ〜」を直訳しても、英語圏のゲストには伝わらない。
・これを「We are honored to have you here today.」と置き換えられるのは、日本文化と英語文化の両方を理解している翻訳者だからこそ。
 
3. 逐語通訳を意識した調整

・日本語→英語を交互に進めるため、一段落ごとの内容をコンパクトにまとめ、リズムを整えた。
・日本語の分量感を壊さず、英語としても自然に聞こえるように調整するのは、スピーチ原稿と翻訳の両方に携わる当社ならではの工夫。
 
4. 聞き手の双方に響く言葉選び

・日本語しかわからない親族にも、英語しかわからない新婦側のゲストにも「同じ温度感」で伝わるよう表現を吟味。
・言語の変換を超えて「伝わる体験」を提供できた。
 
5. 「読み上げ原稿」としての完成度

・翻訳文は書き言葉として正しいだけでは不十分。
・実際に声に出して聞きやすく、場の雰囲気に馴染む形に仕上げられるのは、スピーチ原稿作成も得意とする当社の強み。
 
6. 日本語と日本文化を深く理解した翻訳担当者の存在

・一見シンプルな翻訳案件に見えても、日本の結婚式という「文化文脈」を踏まえた表現調整が必須。
・当社の翻訳担当者は日本語だけでなく、日本の慣習・文化背景を熟知しているため、直訳ではなく「意味と心」を伝える翻訳を可能にした。

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反訳した文書の取り扱い

ちょっと調べ物をしていたら、「ん?」と思う内容に出会いました。

 
民事訴訟規則144条では、証拠として提出できる書面を「反訳文」と呼び、録音データそのものより優先して扱えると規定しているとのこと。

「ん?そんなのあったっけ?」と思って条文を見てみました。

 

民事訴訟規則144条
(録音テープ等の反訳文書の書証の申出があった場合の取扱い)
録音テープ等を反訳した文書を提出して書証の申出をした当事者は、相手方がその録音テープ等の複製物の交付を求めたときは、相手方にこれを交付しなければならない。

 

このように、民事訴訟規則144条が定めているのは

「録音テープ等を反訳した文書で書証の申出をした当事者は、
相手方が複製物の交付を求めたときは、これを交付しなければならない」

――という 複製物交付義務だけであって、反訳文と録音データの優先順位や「録音より優先して扱える」という序列を規定しているわけではありません。

 

✕「録音データそのものより優先して扱えると規定しています。」
「条文は、まず反訳文を提出し、相手方から求めがあれば録音データの複製を交付する手続を定めています。」

という結果でした。

 
証人尋問の反訳、裁判 反訳の外注はこちら

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運転免許証 英訳に関するご質問

Q. 英訳された運転免許証について、公証役場に提出を考えているのですが、免許証の方のPHOTOと書いて空欄になっている場所はどのように活用すればよろしいでしょうか。写真を張り付けたほうがいいでしょうか?

 
当社回答:

一般に、翻訳された運転免許証に写真を貼付する必要はなく、今のままでご利用いただけます。このあたりは、公証役場ごと、公証役場の担当者ごとで回答が異なるため、念のため事前にお問い合わせいただくのが円滑ですが、かなり高い確率で写真は不要です。ご安心ください。

 
運転免許証の英訳を承っています。

下記の無料見積もりフォームよりご連絡ください。

 
無料見積もりフォーム
https://www.tiners-p.com/mitumori.html

お電話も歓迎です。

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インタビュー調査は生もの&水もの

以下、アップしました。

アンケート インタビュー 使い分けが必須

 
最下段に書いている、「当社の私見として」の箇所がもっとも重要かなと思います。

当社は、業務柄、お客様へのインタビュー(ヒアリング)を毎日、というと言い過ぎですが、週に3件ほどは行っていますので、その経験からのことです。

結局、事前にアンケート結果を得ることで、それが少なくともインタビューイにとっては最終の回答になってしまって、インタビュー当日はそれ以上のものが出なくなります。

いっぽうで、インタビュアーのほうは、「○○ですよね?」「○○ということですね?」と、アンケートの回答以上の質問をしづらくなります。

 
あとは、インタビューイのご性格にもよると思います。

いろいろとお話しいただける方もいらっしゃれば、そうでもない、そういうのが得意でない方もいらっしゃいます。

その意味では、インタビューは生もの&水ものであって、だからこそ自由度が高く意味があるのかなと思います。

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デプスインタビューのそもそものお話

以下をアップしました。

 
デプスインタビュー まとめ方(エクセルを使う)

 
デプスインタビューを取りまとめるのは、エクセルが有効ですよというお話です。

 
そもそもの話ですが、

 
1,文字起こしが大変です。

デプスインタビューは定性調査なので、発言のニュアンスや細かい表現まで正確に記録する必要があります。それを一字一句書き起こすのは、かなりの労力がかかります。

仮に1件30分〜1時間のインタビューを行ったとすると、文字起こしには少なくとも実時間の7倍以上かかることが多いです。10件や20件となると、それだけで膨大な時間と労力が必要になります。

最近ではAIを活用した音声認識ツールもありますが、まったく完ぺきなものではなく、作成の手助けになるというレベルですので、解決策とは言えません。
なので、単純に「エクセルでまとめよう」と言っても、その前の「文字起こし作業」が相当ハードルの高い作業になるのは間違いありません。

 
2,エクセルの使い方を熟知していないとしんどい

文章の内容を表に整理して、フィルタリングやピボットテーブルで比較分析をするには、ある程度エクセルの操作スキルが必要です。

たとえば:

フィルターをかけて特定の回答だけを抽出する
ピボットテーブルでカテゴリーごとの傾向を分析する
VLOOKUPやINDEX関数を使って発言内容を整理する
データのクリーニング(不要なスペースや改行の削除)
コーディングのルールを統一して分類する(たとえば「満足→1、不満→0」のように数値化)
こういった作業をスムーズにできる人ならいいですが、エクセルの基本的な使い方しか知らないと「どうやればいいの?」とつまずく場面が多くなります。

特に定性データは「数値」ではなく「文章」なので、ただエクセルに入力しただけでは分析が進まず、「エクセルを使いこなす力」が求められます。

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「音声のテキスト化」から想像できること

以下、アップしました。

議事録 作成 音声テキスト化

 
「音声のテキスト化」

これ、供給サイドの言葉でなく需要サイドの言葉なのだけど、実際、音声のテキスト化という言葉から想像される、パラパラっと音声がテキストになる感覚って違っていて、思いっきり知的作業なんですよね。

最近はAIでの文章化も発達してきているけど、それはあくまで作成のサポートであって、いうなれば、洗濯板でお洗濯していたのが洗濯機ができて便利になったのではなくて、手に優しい洗剤ができて洗濯板で洗うようになったというだけなんです。

 
何が言いたいかと言いますと、明らかに音声のテキスト化は外注するのが一番ですよ、ということですね。

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議事録の作成と翻訳

下記に議事録の作成代行のことを書きました。

議事録 作成代行文字起こしサービス

議事録の書き方と留意点

 
これらは日本語の議事録作成のことです。会話形式が圧倒的に多いです。

 
翻訳の領域における議事録は、当社の経験では、たいていは要約形式ですね。かなり掻い摘んで要点だけをピックアップしたものが多いように思います。

海外の取引先をお持ちの方はお感じでいらっしゃると思いますが、まあお国にもよりますが、海外の方って会話形式の議事録は、おそらく、きっと、絶対に読まないですよね。それか「読んだ」って言って読まないですよね。というケースがよくありますね(笑)

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SDSの英訳「修正に対応してくれますか?」

SDSの英訳をご希望のお客様から重要なご質問をいただきましたので、シェアします。

 
Q.
英訳をしていただいた後、修正が必要となる場合はどのようにご対応いただけますか?
なお、修正と言っても数箇所の文言追加や変更程度だと思います。

 
A.
文言の追加や修正などが発生した際は、その箇所のご案内をいただけましたら、修正をして修正原稿をご送付させていただきます。

SDSは年数が経ちますと修正箇所が出てくるのはよくあることでございます。納品後、日本語SDSと翻訳された英語SDSを弊社で保管しておきますので、たとえば一年後や二年後も、修正の際に迅速に動くことができます。

 
SDS 英訳はこちら

安全データシート(SDS)の英訳

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