ポケトークをビジネス想定で使ってみた。

ポケトーク ビジネス想定

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ポケトーク(Pocketalk)の評判を検証しますシリーズ

 
今回は、

 
ポケトークをビジネス(会議)想定で使ってみた。

 
です。

 
弊社の依頼者様のほとんどは、企業様や研究者様が締めますので、今回のお題はお客様も、そして弊社も大変気になるところです。

ということで、ポケトークを使って試してみました。

実際に会議の場面でポケトークをご利用になられるかどうか、下記の内容をお読みいただき、ご参考になさってください。

 
【前提条件】

はじめに前提条件をお伝えします。

1 使用するポケトークは、Pocketalk wです。
2 この記事を書いている2019年11月時点では最新機種です。なお、12月に新機種「Pocketalk s」が発売予定で、この記事をお読みのあなたは、すでに「~s」をお使いかもしれませんが、ポケトークのスペックページによれば、「~w」と「~s」は細かな違いはあっても、翻訳能力は同じとのことです。https://pocketalk.jp/w/spec/
3 ビジネスシーンと言っても、話す内容も密度もさまざまですので、少しずつ話の難易度を上げていく形でいきます。
4 ポケトークは長文には対応できません。(すぐ諦めます 笑)そのため、文章を切って、わりと短めにしています。
5 ポケトークは「方言」や「なまり」には対応できません。(すぐに諦めます)そのため、話し方は標準語でハキハキと、淡々と話しています。
6 翻訳結果について、細かいことを言ってもしようがない(元々、カンペキに翻訳できるものではない)ため、厳密に合っているかどうかではなく、「間違えながらでも相手に伝わるかどうか」という視点で見ています。

 
これらを踏まえて、下記の「使ってみました」をご覧ください。
日本語が元言語、翻訳言語が英語です。

 
 
【使ってみました】

難易度1「ご挨拶」

はじめまして、私は、営業部の課長をしています吉田と申します。
Nice to meet you, my name is yoshida.

→OKですね。

 
メールでは何度かお話していますが、お会いできて嬉しいです。
I’ve talked several times in the email, but I’m happy to meet you.

→with youがあったほうがいいとは思いますが、日本語で「あなたと話している」とは言っていないので、そこまでの認識は難しいのだと思います。しかし伝わるのでOKとします。
 
今日は時間をとっていただいてありがとうございます。
Thank you for taking the time today.

→OKですね。

 
お手元にお送りしている議題に沿って進めていきたいと思います。
I would like to proceed according to the request sent to you.

→議題をrequestとしていますが、requestですと要求や依頼といった意味ですので、間違えています。もしかすると、「議題」ではなく「依頼」と認識したのではないかと思います。

 
と、このように、簡単なご挨拶レベルであれば、大筋、伝わる水準で翻訳してくれます。
(当たり前ですが)行間を読むことができないので、話したことをそのまま翻訳してくれる印象です。

 
 
次は、難易度2「商談での簡単な話レベル」です。

 
 
難易度2「商談での簡単な話レベル」

 次の議題は発注する個数の見直しについてです。
The next future is about reviewing the quantity ordered.

→たぶん「議題」を「未来」と誤って音声認識しています。futureになっています。
 
現在、この製品の売れ行きが非常に好調で、クリスマスシーズンに備えて、1000個、追加の発注をしたいと思っていますが、それは可能でしょうか?
The sales of this product are very strong and I would like to place an additional order in preparation for the Christmas season. Is this possible?

→OKですね。

 
はい、可能です。ありがとうございます。
Thank you yes possible.

→OKですね。
 
しかし、増量して一気に納品しようとすると、製造が追いつかない可能性が高いんです。
However, if you try to increase the volume and deliver it all at once, there is a high possibility that manufacturing will not catch up.

→「納品する・製造する」の主語がYouになっています。正しくはWeです。日本語で「当社が一気に納品する、製造する」とは言っていないので、そこまでの認識は難しいのだと思います。しかし、おそらくは伝わるレベルです。
 
そのため、9月、10月、11月の3ヶ月で、三分の一ずつ、納品してもよろしいでしょうか?
Therefore is it OK to deliver 1/3 each in the three months of September, October and November?

→「9月、10月、11月の3ヶ月 three months of September, October and November」がちょっとややこしい気がしますが、おそらくは伝わるレベルです。

 
話の難易度を少し上げても、いい形で翻訳してくれています。大筋、伝わる水準で翻訳してくれます。いっぽうで、やはり行間を読むことができないため、話したことをそのまま翻訳してくれている印象です。そして、「議題」「依頼」「未来」と、母音が同じ(i・a・i)であれば、音声認識が難しいようですね。たぶん、いつか「飛来 flying」とか出てきそうです(笑)

 

 
さて、最後は難易度3「わりと突っ込んだ商談の話レベル」です。

 

 
難易度3「わりと突っ込んだ商談の話レベル」

もちろんです。気がかりなのは輸送代です。
Of course but what is worrisome is transportation costs.

→本当は「私たちは気がかりなのは輸送代です。」となればいいのですが、「私たちは」と言っていないため、主語が「気がかりなこと」になっています。「気がかりなこと what is worrisome」はis「輸送代ですtransportation costs」。伝わらなくもないように思います。
 
納品が3回に分かれるということは、計算してみないと正確には分かりませんが、輸送代も回数ぶん増えます。
If you do not calculate that the delivery will be divided into 3 times, you will not know exactly but the transportation fee will also increase the number of times.

→この検証の中で最も伝わりづらい英文になったと思います。何言ってるかよく分からない状態です。おそらく原因は、「計算してみないと正確には分かりませんが」を倒置で話しているのと、あとは、やはり日本語では主語がありませんので、全部主語が「You」になってしまっています。
 
売値に転嫁することもできず、かと言って全額負担は当社としてかなり難しいと思っています。
I think that it is quite difficult for us to pay the full amount even though we can not pass on the selling price.

→2文目と打って変わってしっかり翻訳してくれています。
 
もしよろしければ、当社と貴社で輸送代を折半したいです。
If you like, I would like to split the mailing cost between you and your company.

→「the mailing cost」とあり、これは「輸送代」を「郵送代」と誤って音声認識したからだと思います。「折半」をちゃんと「split」とするところは、すごいなあと思います。
 
当社がこれを飲むことで利幅が少し小さくなってしまいます。
By drinking this, the width of the body will be a little smaller.

→「利幅」を「身幅」と誤って音声認識しているのだと思います。「body」になっています。あと、「これを飲むことで」というのは、日本語が難しいのかもしれません。「貴社の要求を受け入れることで」とすれば違っていたかもしれませんが、話しているときにそんなカクカクした話し方はしづらいですね。
 
ベースとなる数量は将来的にもっと増えると理解してよろしいでしょうか? 同時に、減るということはないでしょうか?
Is it OK to understand that the base quantity will increase in the future or will it not decrease at the same time?

→前段はとてもよかったです。伝わります。後段のor以降で、日本語では「同時に」というのを「加えて」「また」といった意味合いで用いていますが、英語では文字通りの同じ時at the same timeと訳しています。
 
少なくとも、来期の3Qまでは今のままでいきます。正確な数量は帰国後、社内で検討してメールでご連絡いたします。
At least until the 3rd quarter of next season, it will remain as it is. Exact quantity will be reviewed in-house after returning home, and we will contact you by e-mail.

 

さらに話の難易度を上げても、そこそこいい形で訳してくれています。いっぽうで、やはり行間を読むことができないため、話したことをそのまま翻訳してくれている印象です。

 

 

ここまで、難易度1から難易度3までを見てきました。

 

分かったこととしては、

1 話したことだけ訳してくれる。(行間は読めない)
2 母音が同じ単語の音声認識はあまり良くないかもしれない。
3 話の難易度が高くても精度はあまり変わらない。
4 認識させる日本語は、正確に文章として成立させないとヘンな翻訳になる。

 
1と2はしようがないとして、3はOKとして、問題は4だと思います。

 
海外の取引先と話しているときに、「気がかりなのは輸送代です」とは話しても、「私たちが気がかりに思っているのは輸送代についてです」と、何かの文章を読むようにカチっとした表現を用いません。

 
逆に言えば、カチッとした表現を用いることでポケトークの翻訳の精度が上がりますので、これは試してみる価値はあると思います。

 
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