インターナショナルな日本!

Card & Yukata

 

最近、仕事の関係で、いろいろなことわざや故事成語を調べる機会がありました。読んでいると、すっかりはまってしまい、いつの間にか目的を忘れて、熟読してしまうこともしばしばでした。

 

そのとき、思ったのは、洋の東西を問わず、日本では、さまざまなことわざが使われているなあということでした。

 

たとえば、「すでに、賽は投げられた。今こそ、雌雄を決するときだ。」ということばの中には、ローマと中国の慣用句が含まれています。

 

ルビコン川を渡るとき、カエサルがいった「賽は投げられた」と、項羽と劉邦の覇権争いの真っただ中、一騎打ちによる戦いを誘うために項羽がいった「雌雄を決する」ということばです。

 

すでに、これらのことばは定着し、私たちは意識することなく使っています。しかし、よく考えれば、これは、とんでもなくすごいことなのではないでしょうか。

何でも取り入れ、それを自由に表現することができる、日本文化の貪欲さと自由自在さを感じさせます。

 

まさか、カエサルも、はるか後世、極東に住む民族が、中国の慣用句と一緒に、自分のセリフを使うとは、想像だにしなかったでしょう。

 

このような視点で見ていくと、閉鎖的と思われがちな日本の、インターナショナルな状況を感じることができます。

 

最近、日本の若者が内向き志向で、海外留学が減っているということを嘆く論調が多いようです。確かに、異文化体験は非常に有効です。特に、人と直接触れ合うことは、その後の人生に大きな実りをもたらすことになるでしょう。

 

しかし、日本でも、多くの異文化体験をすることができます。それは、すでに日本文化に定着し、意識されていない異文化である場合も多いのです。

 

日本人は、消極的で遠慮がちというイメージがありますが、実は、好奇心旺盛、そして、貪欲で、ものすごく積極的なのかもしれません。

 

カテゴリー: 日常のこと   タグ: , , , , ,   この投稿のパーマリンク