「互いに」契約書では3社でも4社でも5社でも使える!

言葉、とりわけ日本語は奥が深いと感じる、少雨のこのごろ。今日は「互いに」という言葉を紹介したいと思います。

「互いに」は2者間だけではない

意外にも「互いに」とは2者間だけに使われる言葉ではないんです。

辞書を見ると、2者以上に用いられるのが正しい意味とあります。ただ、例文を見てみると、2者間と思しきものばかりなんですね。

ギリギリ3者以上で解釈できるのは、「お互い健康には気をつけよう」だけだと思います。「お互い顔を見合わせる」なんてのは、5人もいたら、きょろきょろしてしまいそうな気がする(笑)

意味と例文を照らし合わせて思うのですが、もしかして「互いに」という言葉は、意味としては2者以上を指しながらも、使われるのは2者でのことが多いからではないかと。

とはいっても、たとえば、

我々○○協同組合の会員同士、互いに助け合ってやっていかなくてはいけません。

なんていうと、明らかに3者を超えた使い方になりますね。

契約書での「互いに」の使われ方

いずれにしても、「互いに」とか「お互い」というと、なにやら2者間でのことのように捉えられますが、どうやらそうではなく3者でも4者でも、極端に100者でも(たぶん)用いられるということが分かったのが収穫です。

このへんのお話って、契約書の前段部分で使われることがありますね。

たとえば、3社の合弁契約なんかですと、

「互いに合意した当該契約内容について、」
→ A社B社C社の3社が合意したという意味になります。

まあ、もっと分かりやすくいいますと、

「3社間で合意した当該契約内容について、」

と表現することもできますね。

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魔法の言葉「関する」。和訳で使わないほうがいいかも

 

世の中には便利な言葉がありまして、

「またご飯でも行きましょう」

なんてのは、薄めの友達付き合いやビジネス上のお付き合いなんかでよく使われます。

 

またご飯に行きましょうなんていって、ホントに行くケースなんて滅多にないのですが、またもしかしたらそもそも行く気がないのですが、相手を傷つけずにそれっぽくスルーするにはいい言葉であります。

 

 

今回は、そんな便利な言葉で、翻訳には極力使わないほうがいいかもね、というのをお話ししようと思います。

 

 

その言葉は、

 

「関する」

 

です。

 

ちょっと見比べてみますと、

 

1、この商品について、意見を述べる。

2、この商品に関して、意見を述べる。

 

パッと見、「この商品のこと」ど真ん中を指しているのはどちらだと思いますか?

 

はい、そうですね、答えは1、です。

なんとなくの感覚でお分かりになると思います。

 

「~について」は、

ある事柄に関して、その範囲をそれと限定する」(Yahoo!辞書より引用)を意味します。

 

要は限定されているということですね。「この商品」だけのことについて意見を述べることになります。

 

いっぽう、「~に関して」は、

ある物事にかかわりがある。関係する。かかわる。」(Yahoo!辞書より引用)を意味します。

 

あれっ?なんかおかしいですね、ほとんど同じような意味にも感じます。

でも少し異なるのは「~について」のほうが「~に関して」よりも限定したニュアンスがありますよね。

 

ちょっと狭いのとちょっと広いのと、そんな違いですね。

 

で、英訳でも和訳でもそうですが(とくに和訳になるかな)、この「~に関して」という言葉は、あまり使わないほうがいいかもしれないです。

使い勝手がいい言葉ですので、無意識に使ってしまいがちになりますが、「~に関して」という言葉を用いることによって、明確な文言があってもそれがぼやけてしまうということなんですね。

会話にしても、文章にしても明確な何らかの意思表示があるのに、それに関連することも含めてしまうがために、ぼやけてしまうということです。

 

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固定費が入っている販管費で限界利益率を計算する?

 

さて、本日は土曜日。

タイナーズは通常営業ですが、平日に比べてググッと依頼者様からのご連絡は少ない日です。

 

そんな中、今日は朝から、工業用製品を取り扱う企業の経営戦略について、翻訳原稿を精査していました。

 

原稿を見ている中で、あっ、これおもしろい話かもというのをお伝えしたいと思います。

 

 

皆さん「限界利益率」ってわかりますか?

 

簿記(会計)の世界のお話です。

 

限界利益(marginal profit)というのは、売上(sales revenue)から変動費(variable cost)を差し引いたものになります。固定費(fixed cost)は入ったまんまです

限界利益率(marginal profit ratio)というのは、この限界利益を売上で割ったものになります。

 

で、変動費というのは生産や販売の増減によって変動する費用のことを言います。

生産や販売の量が増えればこの費用も増え、反対に生産や販売の量が減ればこの費用は減ります。

 

いっぽう、固定費というのは、生産や販売の増減によって変動せずに、毎年かならず必要になる費用のことをいいます。

 

 

これを式で表わすとこんな感じです。

 

限界利益(marginal profit)=売上(sales revenue)-変動費(variable cost

限界利益率(marginal profit ratio)=限界利益(marginal profit)÷売上(sales revenue

 

つまり、限界利益率とは、ある製品を製造・販売した場合、利益の率はこれだけですよというのを示す数字になります。

marginal(限界ギリギリの)profit(利益)、という英語を見てわかるように、要は製品ひとつ販売したらこの利益ですよと、パーセンテージはこんな感じですよということですね。

 

 

で、今回の翻訳原稿の原文に、

 

「販管費を大きく削減して、限界利益率を跳ね上げる」

 

という主旨の内容がありました。

 

販管費というのは、販売費および一般管理費(selling, general and administrative expenses)の略で、これは製品を作るために直接かかった費用以外の費用のことをいいます。

 

まあ、もろもろの経費と思っていただいて間違いありません。

 

 

ここからが本題です。

 

調べてみると、販売費および一般管理費は、そのほとんどが変動費なのですが、そのなかでビルの家賃だとか人件費などの、固定費のようなものが含まれているようなんです。

 

ビルの家賃ってのは、毎月固定ですので、これは固定費で間違いないだろうと。

で、人件費については、もしかしたら残業代とか遅くまで仕事をしたときのタクシー代(いまどきそんなのあるのかな??)はそのときどきで変動しますし、ボーナスなんかは業績によって金額の大小が異なりますので変動費のような気がしますが、でも基本給(固定給)はそうそう変わるわけではありませんので、固定費ではないのかと思うわけです。

 

この辺はですね、会計の専門家に聞いてみるとして、まあ固定されている意味では、家賃も人件費の中の基本給も固定費だと思われ、これらは販管費に入っているわけですね。

 

そうなると、

 

「販管費を大きく削減して、限界利益率を跳ね上げる」

 

というのは、厳密には、

 

「変動費を削減して、限界利益率を跳ね上げる」

 

のほうが正しい気がしますね。

 

この辺はどうなんでしょうね。

翻訳の範疇ではなく、なんだか大原簿記専門学校の授業のようなお話でした。

 

 

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部署や肩書きの翻訳は、実際の業務内容が大事になります

名刺

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

稀に、名刺や社員さんのプロフィール紹介などで、所属の部署や肩書きの翻訳をご依頼いただくことがあります。

 

で、そういった場合、依頼者様には、その部署はどういったことをしているのか、その方はどういった職域なのかを、お伺いしています。

 

 

たとえば、

 

総務部

 

といっても、では日本語のとおり、総務(つまり、社の事務全般を司る部署)として認識すればいいかというと、ちょっと違います。

 

総務は一般的に社の事務全般を司る部署ではありますが、その業務内容は多岐にわたります。

 

経理や人事を行う課が総務部の中にある場合もあれば、そもそも総務部、経理部、人事部、と部署が分かれている場合もある。

 

社員の肩書きでもそうだ。

 

総務部マネージャー

 

といっても、でもこれではその社員の職域が分からないので、具体的に総務部でどういったマネジメントをする立場であるのか、などが大事になります。

 

とまあ、総務や経理、人事などであれば、業務内容や職域はイメージしやすいですが、会社様によっては、珍しいといいますか複雑な部署や肩書きがありますからね。

 

 

もちろん、どこまで翻訳に反映していくかという、依頼者様のご要望にもよりますが、いずれにしても部署や肩書きの周辺情報があるのとないのとでは、かなり精度は違ってきます。

 

 

 

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学会の後の懇親会 司会者はジェスチャーがあってもいいかも

 

学会の後、懇親会を行うことが多いですね。

その懇親会では、日本人研究者をはじめゲストとして学会に招かれた外国人研究者の方もいます。

 

懇親会で同時通訳または逐語通訳が入ることは滅多にありませんので、司会者が英語で司会進行をすることになります。

 

で、そんな英語での司会進行。

 

日本人の場合、欧米(英語圏)に比べて身振り手振りというのは少ないですが、外国人のゲストがいる場合は、ある程度のジェスチャーを加えて司会進行をしていただくのもいいかもしれません。

 

と、日曜の昼下がり、司会進行の翻訳原稿を作成していて思うのでした。

 

 

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1組(ひとくみ)は、「Pair」か「Set」か

少々細かい話で、でも契約書の翻訳では重要なことをひとつ。

「1組」は何個?

イスが1組(ひとくみ)あります。

この文章を見て、イスは何脚あると思いますか? 2脚?

ではなくて、実は正解は、「わからない」です。2脚かもしれないし、3脚以上かもしれない。

つまり、「組」は、

2つ以上を取り合わせたひとまとまりのもの
(引用:Yahoo!辞書)

という意味を持つ言葉なんですね。

ですから「イスが1組(ひとくみ)あります」といっても、2脚で1組かもしれませんし、3脚で1組かもしれません。4脚、5脚、6脚……まあ100脚で1組なんて、常識的にはないでしょうが(笑)、考えられなくはないですね。

契約書では「Pair」ではなく「Set」

ですから、契約書の文言で、実際に何個あるかが分からない場合で、1組(ひとくみ)とか2組(ふたくみ)という記載があった場合、

1 Pair、2 Pair
間違いである可能性があります

この場合は、

1 Set、2 Set
こちらが正しい

のほうが正しいです。

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取扱説明書の翻訳に際して

ts

Panasonic プラズマリフレ新鮮風 EH3551より

 

 

家電や医療機器の取扱説明書は、もう一昔前とは異なり、海外でも販売することが当たり前になった昨今では、日本語のみならず、英語、中国語、韓国語などなど、多言語化するのが当たり前になっています。

 

私どもも、平素、取扱説明書の翻訳をする機会が多くございますが、もし今、あなた様がご依頼をお考えでいらっしゃるなら、ご準備いただきたいものがあります。

 

それは、取扱説明書の現物(PDFやファックスでも可)です。

 

 

ご依頼をいただく際、たとえばワードファイルに翻訳を希望される原文(日本語)をお送りいただくわけですが、どうしても、文字情報だけですと、前後関係がよくわからない場合があります。

 

たとえば、

 

「このピンを寄せる」

 

という文言があったときに、

 

ピンは何のピンなんだろう??

寄せるのは右だろうか、左だろうか、はたまた上だろうか、下だろうか??

 

というふうに、多くの取扱説明書は、図(または写真)と文字情報でもって説明する場合がほとんどですから、文字情報だけだと、細かなところまでがよくわからないんですね。

 

 

 

そのために、現物(PDFやファックスでも可)があったほうが、翻訳の精度が格段に高くなります。

 

もし、「クライアントから文字情報しか預かっていないんです」ということでしたら、もちろん文字情報だけでも翻訳させていただきますが、その後の処理などを考えると、現物をメール添付やファックスなどでお送りいただいたほうが、円滑ですね。

 

詳しくは、お問い合わせください。

 

 

 

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新年のご挨拶

 

昨年末、珍しいご依頼をいただきました。

 

珍しいといっても内容ではありません。

内容は、契約書や契約書に附帯する各種の書類、そして機器のマニュアルの翻訳で、私たちが得意とするところです。

 

何が珍しいかと言えば、その分量。お取引させていただく規模です。

 

年間のご契約で、実に弊社が1年間に作成する分量の3倍のボリューム(汗)

 

申し訳ございません。現在のタイナーズの規模では、1社様からご依頼いただく分量は、A4用紙にして年間500ページくらいが限度です。かようなご依頼が20社様からいただきますと、もういっぱいいっぱいの状態です。ご不便をおかけいたします。

 

多くの企業様、組織・団体様から、多くのご要望をいただくことは、大変光栄でございます。

 

そんななかで、クオリティの高いサービスを提供したいという思い、依頼者様お一人お一人に温かに丁寧に親切にご対応申し上げたい、これらを私たちの翻訳業務における存在意義と位置づけています。

この目標はもちろん依頼者様のためというのがありますが、本質的には、クオリティの高い仕事をしたほうが私たち自身が「やりがい」や「生きがい」や、それらから得られる「楽しさ」を感じられるという思いがございます。

 

本年2013年は、クオリティの高い翻訳サービスを、昨年よりも多くの皆様にご提供できるように、ご要望に沿うことができるように、そんな思いをもって臨んでまいります。

 

 

改めまして、

2013年もタイナーズをよろしくお願い申し上げます。

 

 

2013年1月4日 営業はじめの日に

翻訳専門 タイナーズ一同

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読点の位置で意味は変わる(契約書やNDAでも役立つ)

ウェブサイトの新着ページなどで、短い文章で情報を伝えるということが、しばしばあります。そのウェブサイト文章(日本語)を英語に翻訳する際、原文である日本語を正しく理解する必要があります。

押さえるべきポイントは複数ありますが、興味深いのは、読点(、)の位置ひとつで意味がかなり変わってしまうという点です。

読点の有無で意味が変わる例

たとえば、下記の一文。

当社は、東京都千代田区に所在する電子部品メーカー『シマタニ電子工業』と『シマタニ・河合テクニカル』を共同設立しました。

※社名は架空です。

シマタニ電子工業は、どこに所在していますか?
答えは、「東京都千代田区」です。

シマタニ・河合テクニカルは、どこに所在していますか?
答えは、「わからない」です。

これらが正しい理解です。いっぽう、下記の一文はどうでしょうか。

当社は、東京都千代田区に所在する電子部品メーカー『シマタニ電子工業』と『シマタニ・河合テクニカル』を共同設立しました。

これだと、シマタニ電子工業の所在地は「東京都千代田区」とも取れますし、「わからない」とも取れます。シマタニ・河合テクニカルも同様です。

つまり、「東京都千代田区に所在する」のあとに読点(、)が入っていることによって、この修飾語が『シマタニ電子工業』につながっているのか、『シマタニ・河合テクニカル』につながっているのかが、分からなくなるわけです。

読点(、)ひとつの違いでこれだけ意味が変わってしまうんです。

実際の翻訳では、事前に、または事後的に、依頼者様の背景や共同設立した法人について細かにお伺いしますので、どちらの所在地なのかが分かります。ただ、上記の一文だけですと、なかなか判断に迷ってしまいますね。

契約書・NDAではより重要

パッと見、間違えてしまいそうなこの違い。実は、この手のちょっとした表現の違いで意味が変わる捉え方は、各種の契約書や約款、NDA(秘密保持契約)などの書面では、より重要性が高くなります。よくよく読んでおかないと、あとで「あれ?!思っていたのと違う」というふうになりかねません。

よくあるのが、以下のような表現です。

A、その他BC
→ Aがひとつのグループで、BCがもうひとつのグループ

Aその他BC
→ AもBもCも同じひとつのグループ

AとB
→ 前後の文脈を見ないと、AとB両方なのか、AかBどちらかなのかが分からない

なかなか難しいですね。

余談:語順を変えると明確になる

最後に、余談ですが、これだとどうでしょう?

東京都千代田区に所在する当社は、電子部品メーカー「シマタニ電子工業」と「シマタニ・河合テクニカル」を共同設立しました。

東京都千代田区に所在しているのは、どの会社ですか?
はい、カンタンですね。答えは「当社」です。

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損益計算書はIncome Statement?それともP/L?

 

財務諸表のひとつである損益計算書。

 

経営者の方や、会社、組織・団体の経理の方でしたら、普段、よく目にしている書類です。

 

損益計算書は英語では、Income Statement と書きます。

普段、英語の財務諸表を見ると、いちばんうえに、Income Statementって記載されていて、とくに違和感なく「ああ、損益計算書だな」って思っていらっしゃると思います。

 

 

直訳すると、Income(収入)の Statement(報告書)ですが、でもこれって何か違和感を覚えますね。

損益計算書っていうのは、費用と収益を明確にして利益(もしくは損失)を算出するものですから、Income(収入)の Statement(報告書)ですと、どうも収益だけの明細のような気がしますね。ですから日本語にいうと、Income&expense(収入と支出の) Statement(報告書)のほうが適切な気がします。

 

 

いっぽう、損益計算書には、別の書き方もあります。そのひとつがProfit and Loss Statementです。

 

これのほうが馴染みがありますね。いわゆるP/Lの略です。Profit and Loss(利益と損失)の Statement(報告書)ですから、こちらはしっくりきます。

 

 

ほかにも、Statement of Incomeという書き方もあります。(アメリカやイギリスで使い方が異なります)

 

 

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