登記簿は、昔は縦書き・今は横書き。

 

会社の登記簿(履歴事項全部証明書)に、たまーに下記のような表現があります。

 

1. セラミック加工部品の販売

2. 右に附帯する一切の業務

 

みっ、右に何もないのに、「右に附帯する一切の業務」って書いてる(汗)

 

これは特別な表現です!

 

2. 右に附帯する一切の業務

 

とは、

 

セラミック加工部品の販売に附帯する一切の業務

 

という意味になります。

 

 

つまり、ここで言う「右」とは、「1. セラミック加工部品の販売」を指します。

 

 

本案件のような書類や法律の文書の場合、

 

実際に右側に何かがあってそれを指し示している場合と、そうではない場合とがあります。

 

今回は後者が当てはまり、「上」にあるのに、なぜか「右」になっています。

 

 

なぜこのような表現の仕方をするかについては、

 

昔、まだ電子技術が発達していない時代、日本では、履歴事項全部証明書や住民票などの公文書は、右から左へ縦書きした紙媒体でした。(今でも残っています)

 

こんな感じです。(縦書きの画像)

http://goo.gl/5gQ51z

 

その後、電子技術が発達し、こういった書類がすべて電子媒体となり、たとえばあなたが住民票を取得するときは、名前と住所を市役所に伝えると、市役所の担当者が私の住民票情報を抽出してプリントアウトしてくれます。これらはすべて横書きです。

 

つまり、もともと縦書きだったものをそのまま横書きにしたため、もともとは「右」にあったものが「右」にはない状態(上にある状態)になっているのだと思います。

 

古くからある会社、つまり、電子技術が用いられるようになる前の紙媒体の時代(縦書きの登記簿の時代)に設立した会社は、上記のような表現が使われている可能性があります。

 

これは私の想像ですが、おそらく間違いないと思います。

 

以上をもとに、「右」の英語表現を考慮しますと、

 

右側(on the right side)という表現は用いずに(実際右にはないので)、

 

2. セラミック加工部品の販売に附帯する一切の業務

2. 1.に附帯する一切の業務

 

これらのように、「右」とは何かを説明する形で表現する、

 

もしくは

 

2. 上記に附帯する一切の業務

 

というふうに、その「もの」が存在する場所を示す表現(つまり、上)を用いる

 

これらが適切です。

 

 

今回挙げた表現はかなり稀で、われわれ日本人でも理解することが難しいですね。

 

 
登記簿謄本 公証・ビザ取得その他情報

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これからは英語の戸籍謄本も必要になる。かな

 

今は言わずと知れたボーダーレス(borderless)の時代で、母国以外の国に行ったり、滞在したり、住んだりすることは普通にある。グローバル(global)、ワールドワイド(worldwide)というやつです。

これからは、もっともっとワールドワイドになっていくだろうと思われます。(そうなってほしい)

 

global

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戸籍謄本や住民票、公正証書など、いわゆる行政当局が発行する書類を翻訳していて感じるのだが、日本でこれらを取得すると、当然日本語である。

が、しかし、外国に行くのが当たり前の時代になっていくと(なっていくと、と言ったのは、日本はまだ当たり前とまではなっていないように思うから)、ビザ取得のためなどで証明書の類を英語で書いたものが、日常的に必要になる。

 

だから、一般市民が証明書を取得するときは行政当局は英語の証明書を発行するサービスがあったらかなり便利だと思う。

この手の証明書は、ほぼ単語の羅列であるから難しくはないのだ、たぶん。だからあまり行政コストもかからないのではないかと思うし、英語の証明書を必要な場合は1通1000円とか、日本語よりも高い料金(発行費?)にすればいいのに思う。

 

まだそんなニーズが多くないからかな。

 

 

と、こんなことを考えていると、英語特区みたいなのができて、使用する言語が英語オンリーの町ができたら面白いのにと思った。(住んでみたいかも)

 

 

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What in the worldを日本語で言うと

 

間投詞、感嘆詞、感動詞というやつです。たとえば、

What in the world are you doing!

なんだってんだい!

どうしたってんだい! 的な意味になろうかと。

 

「まったく、どこの世界に年老いた親に荷物を運ばせるバカ息子がいるんだよ!」

(宮崎映画に出てきそうな肝っ玉母さんの発言。夏木マリさんの声だとイメージぴったり)

 

のような発言を日本語で聞く。(たぶん)

 

 

どこの世界に○○だよ!

なんですか?(What) 世界の中で(in the world)

 

由来でもなんでもないが、なんだか似ているなあと。

 

 

 

ちなみに、間投詞、感嘆詞、感動詞というのは、喜怒哀楽を表す表現。

日本語でいうところの、あのう、とか、まあ、とか、じゃあ、とか、わお、とか。

 

 

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戸籍謄本と戸籍抄本 違いは?

 

「戸籍謄本?抄本?私の手元にあるのはどっちなんでしょう?」

 

というご質問をわりとよくいただきます。

 

なんだかすごく初歩的な質問のように感じるのだが、でも、依頼者様と打ち合わせをしていて、この話がよくお客様から出てくるのだ。

 

よくよく考えてみれば、自分の戸籍謄本や抄本を市役所なんかで発行してもらって、パスポートだかビザだか、なにかの渡航のさいに必要になるというのは、その機会がない人は本当にないわけで、いざとなるとよくわからなくなる。だから、たしかに「これは謄本と抄本、どっちなんだろう?」という疑問は分からなくもない。

 

で、当然のことながら、戸籍謄本は当事者(あなた)と当事者(あなた)の家族全員が載っているもので、戸籍抄本は当事者(あなた)だけが載っているもの、その違いだけです。

 

要は謄本っていうのは全部、完璧に、バッチリ載っているものを指し、抄本っていうのはその一部だけ載っているものです。

 

 

ですから、戸籍謄本と戸籍抄本とでは載っている内容が異なるため、何かの手続きで必要になる場合は、どちらが必要かを事前に調べておいたほうがいいですね。

 

 

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I am puzzled を日本語で言うと

 

I am puzzled.

 

私はパズルです。でけっこう分かるかもなこのフレーズ。

 

要は私は戸惑っている、混乱している。confuseしているということですね。

 

ちなみに、

I am jigsaw puzzled.

は、「私は心がバラバラになるほど戸惑っています」

I am crossword puzzled.

は、「私は言葉にならないくらい戸惑っています」

 

とはなりません。私の造語です:)

 

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cream of the crop を日本語で言うと

 

cream of the crop

最良の人、もの

 

です。

 

どうも日本語ではカタカナで「クリーム」というイメージが強い。アイスクリームだとか、ハンドクリームだとか、乳白色の滑らかなあの「クリーム」です。

で、そのクリームに引っ張られて、なんでcrop(収穫物)のクリームと書いて、最良の人とかものを意味するんだと思ってしまいます。

 

でも、このcreamという単語には、「最上のもの」という意味が元々あります。

辞書に普通に載っています。

 

コトバンクより

https://kotobank.jp/ejword/cream

 

じゃあなんでthe cropが必要なのかはわかりませんが、収穫物の最良のものということで、それはめちゃくちゃいいものなのだろうと、こんなふうに理解すると覚えやすいです。

 

ちなみに、クリームソーダは決して最良のソーダではなく、クリームが入った普通のソーダです^^

 

 

You are the cream of the crop!

 

 

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日本語の推薦状を「好意的に解釈」して英文にする。

 

海外の企業や研究機関へ行くための推薦状。

 

お客様からお預かりする原文、つまりお客様の上司がつくった日本語の推薦状を見ると、部下と親しい間柄であることを表す文言が登場することがある。

 

たとえばこんな一文だ。

 

鈴木君とは長く同じチームで職務を行ってきましたので、オフィスでの彼の姿も、夜の飲み会の席でも、私は彼のことを良く知っています。

 

 

今回取り上げたいのは、飲み会の席という言葉。

 

これを、そのまんま英語に翻訳すると、

 

drinking party

 

これでは単なるパーティー好きの人になってしまう。

 

「飲み会」という言葉は日本語的表現なのである。

 

日本では、

複数人の仲間で居酒屋さんで「おつかれー、かんぱーい!」という、文字通りお酒を飲む機会と捉える場合もあれば、少し広く捉えれば、「晩御飯を一緒に食べる」という意味も持っているように感じる。

 

上記の例を文脈判断で見ると、決してベロベロに酔っ払っている類の話ではなく、「仕事が終わったあと、ご飯を一緒に食べに行く」という趣旨に受け止めることができるだろう。

 

だから英語で表現する場合は、少し解釈を変更する必要がある。もちろん、自分(あなた)に好意的な解釈で。

 

たとえば、

 

クライアントの接待 to entertaining clients

→ビジネスシーンっぽく聞こえてよい。

 

食事をしながら明日の打ち合わせ

→あくまで食事は補助的なもので、打ち合わせがメイン。

 

部員(課員)とのコミュニケーションを図るための食事会

→マネジメントの一環として捉えることができる。

 

この辺が原文から離れすぎない表現だろうと思う。

 

考慮したほうがいい表現がある場合は、そのまんまの意味で英語に翻訳するのではなく、まずは日本語をどう解釈するか、そこから考えることが必要だ。

 

 

余談ではあるが、推薦状はその名のとおり上司やその世界で名のある方からいただくものだが、実際には、推薦を受ける方が自分でつくって、それを推薦してくれる方に見せてOKをもらうというのもよくある。

そういった方も結構多いのだ。

 

 

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Break a leg! を日本語で言うと

Break a leg!を日本語で言うと

 

がんばって。幸運を祈るわ。

Good luckと同じ意味。

 

直訳すると「脚を折って!」になるので、なんとなく「骨を折る」に近くて、それが発展して「努力しなきゃいけない」というような意味になるかと思いきや、そんな「やらなきゃ」感はないらしい。

日本人には Good luckのほうが馴染みがありますが、Break a legもよく使われる表現(common expression)です。

 

 

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映画の広告文は、行間を読んで訳すべし!

 

映画のテレビCMってよくやっていますが、ハリウッド映画のキャッチコピーはいつも面白いですね。

 

「全米が感動で打ち震えた!」

「今世紀最高の感動作」

「前人未到のアクション大作」

 

抽象的な感じなのが特徴です。

 

最近でいちばん面白かったのは、アンジェリーナ・ジョリー主演の「マレフィセント」です。ディズニーの眠れる森の美女のダークサイドver.とでも申しましょうか。いずれにしても有名な映画です。

 

https://www.youtube.com/watch?v=DhgTpcykNcA

 

で、そのテレビCMのキャッチコピーがこれ。

 

「アンジェリーナ・ジョリー至上最高」

 

かなり抽象的な感じに仕上がりました(笑)

実際のところは、アンジーが主演した映画で興行収入がいちばん大きいということらしいのですが(50億円)、そんな背景は「明日仕事休みだから、映画でも観に行こうか」くらいの多くの人には、知るところではありません(笑)

 

ディズニー『マレフィセント』興収50億突破! アンジー主演作で史上最高額に

http://urx.nu/bHOq

 

You Tubeにこの広告文のCMがあがっていなかったのが残念なのですが、たぶん皆さんも一度は見たことがあるはず。

 

 

さて、前段が長くなりましたが、映画の広告文もよくご依頼いただくんです。

といっても、さすがにハリウッドから直接の依頼は来ませんが(笑)

 

この手の広告文で特徴的なのは、文章量が少ないことです。

 

分量量が少ないと、サラッと翻訳できるイメージがあると思うのですが、実は長文よりも短文のほうが翻訳は難しいんです。

 

と言いますのも、文章量が少ないということは、その言葉が意味することの説明を、文章がないところから読み取る必要があるからです。いわゆる「行間を読む」というやつですね。

 

で、我々の任意の文章であればいくらでもその行間を作り出すことができますが、お客様の原稿を翻訳するわけですから、事前にしっかりお客様にヒアリングを行います。

 

お客様も明確にお答えになるのは難しいのですが、なんとなくのイメージをお伝えいただくことで、その「行間」を突き止めていくんです。

 

あとは、どう表現するかということで、イメージを沸き立たせ、言葉の神様を光臨させます。(白魔術のほうです^^)ときにドラマチックに、ときに切なさを表現して、「きっとこの訳文を読んだら、みんな映画を見たくなるよ」というところまで訳文を持って行く。それが映画の広告文翻訳の妙味で、なんとも楽しいのです。

 

 

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英語に関わらず、メールで「追伸(P.S.)」は使用不可なのか?

 

追伸:

私が実家に帰ったら、またいつもの場所でお会いしましょうね。

 

なんて、ちょっと思わせぶりな文章ですが、今回取り上げたいのは、この「追伸」です。

P.S. (postscriptの略)というものです。

 

誰でも一度は使ったことがあるのではないでしょうか。

 

実はこの「追伸」、メールでは使わないんです、と言いますか、マナー的に使っちゃいけないんです。

 

弊社は翻訳会社ですので、「英語の場合はどうですか?」とご質問をいただくのですが、英語でも日本語でも、タガログ語でも、使っちゃいけないんです。

 

なぜなら、追伸は、手紙を書き終わったあとで、「あ゛っ、あのこと書くの忘れちゃった!!」となったときに、付け加える意味で使うものなんです。

平たく言いますと、せっかく最後まで手紙を書いて、また一から書き直すのが面倒だから、という理由なんです。

 

ですから、メールなんて切ったり貼ったり書き加えたりなんて、パパパッとできますから、追伸を使うと、「そんなに面倒かい?」っていうお話になってしまいます。

 

と、ここまでが教科書的な見方です。

 

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いっぽうで、皆さん上記の意味を知らずに普通に使いませんか?

なんとなく、追伸とかP.S.とか使ったほうがその文章が強調される気がします。あとは、1つのメールであれもこれもとたくさんの要件を伝えるときに(ビジネスメールではよくありますよね 苦笑)、「また」や「なお」などの接続詞を使い切ってしまったのち、最後の手段でP.S.を使うなんていうのもあります。

 

つまり、追伸を使うことが自然になっていますので、マナーのことなんてほとんどの方が気づいていなくて、内容を強調したり話を変えるための接続詞のような役割で用いたりしているわけです。

実態が形式を超えてしまっているわけですね。

 

 

以上を踏まえて、

 

  • マナーの面から使わないほうがいい。
  • ただ、そんなこと気にする人がいるとは思えない。
  • 念のため、ビジネスメールでは用いないほうがよさそうだ。
  • 友人へのメールであれば、別に使ってもいいのではないか。

 

こういったところですね。なんとなく「お体ご自愛ください」と同じようなお話です^^

 

ご参考にしていただけましたら幸いです。

 

 

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