戸籍謄本・登記簿謄本の公証が難しいのは

 
「結局、公証のためには、どの書類が必要なんだろう」
 
というのは、今このページをご覧いただいている方のお気持ちでいらっしゃると思います。
 
私どもは、よく戸籍謄本や登記簿謄本の英訳をご依頼いただいています。お客様はその後、公証役場に行って公証を受けようとしますが、そのための書類の準備がどうもよく分からないというお客様が多いんです。
 
たしかに私も、公証を受けるための準備はややこしいなあと感じています。
 
 
つい先日、留学支援業務の会社の社長さん(広い意味で同業さんです)とお話をする機会がありまして、このことでとても意気投合しました。
 
私の経験、そして、留学支援業務の社長さんの経験で共通していたのは、
 
公証役場に質問をするが、聞くたびに答えが異なる
 
です(笑)
 
きっと、このページをご覧のあなたも同じように感じていらっしゃるかもしれません。
 
 
業務上、公証役場に電話をして質問することがよくありますが、たしかに、聞くたびに答えが異なることがあります。
厳密に言えば、同じ質問をしても公証役場ごとで答えが微妙に違ったり、同じ公証役場でも担当者によって答えが微妙に違ったりします。
 
「これだとお客様が迷ってしまってよくないなあ」
 
というのが、私と留学支援業務の社長さんとの会話でした。
 
公証役場の職員さんの名誉のために申し上げますと、結局、職員さんは公証の仕方のことは知っていても、渡航の手続きやビザのことを知っているわけではありませんので、海外のことを絡めて細かいことを聞かれても分からないというのがあるのだと思います。
 
「聞いているのは公証のための必要書類だけどね」と、うっすら心の中では思いますが(笑)
 
 
いずれにしても、戸籍謄本や登記簿謄本の英語版について、公証を受ける場合は、宣誓書(戸籍謄本や登記簿謄本を英語にしたことの宣誓)または翻訳証明(翻訳会社が翻訳を証明するもの)のどちらか、あるいはどちらも、をご準備しておけば、必要書類の面では満たしているはずです。
 
 
タイナーズの翻訳では、翻訳証明をお付けすることが可能です。
 
また、宣誓書について、ご自身でお作りになれないお客様は、お申し付けいただきましたら作成させていただくことが可能です。
 
登記簿謄本の英訳はこちら
https://www.tiners-p.com/certificate.html
 
戸籍謄本の英訳はこちら
https://www.tiners-p.com/family-register.html
 

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通訳サービスは「高い水準で英語ができる人」ではなく。

 
先日、いつも翻訳と通訳でご利用いただいている大手住宅メーカーの部長さんからご連絡がありました。
 
「あー、こないだはホントに大変だった。タイナーズさん今度海外も来てよ」
 
 
この部長さん、アメリカにある取引先に訪問することになっていまして、いつも国内の通訳は当社をご利用いただいているのですが、アメリカに同行できる通訳担当者がいないため、他社さんを利用されたんです。
 
「何が大変だった」かというと、その通訳者さんがあまりよろしくなかったらしいのです。
 
聞くところによると、旅行会社を通じて通訳者を手配してもらったらしいのですが、いざ現地で通訳をしてもらうと、
 
「明らかに取引先(アメリカ人)が言っていることを正確に通訳していなかった、ということが英語が分からない私にも分かった」
 
とのことでした。
 
よくよく話を聞けば、旅行会社によると「高い水準で英語ができる人」だったのでとても安心していたところ、実際は通訳としての役割を果たせていなかったとのことです。
 
 
当社から通訳者を派遣できなかったという負い目もあり、大変申し訳ないことをしたなあという思いがありますが、私はこの話を聞いてピンときたところがありました。
 
たぶんこの通訳者さんは、実際、「高い水準で英語ができる人」だったのだろうと思います。ですが、通訳をするにはクライアントの満足するのに十分ではない(今のところの)能力・経験の持ち主だったのかもしれません。
 
通訳と言いますと、
 
クライアントが話す日本語を英語に置き換えて相手に伝える。反対に、相手が英語で話したことを日本語に置き換えてクライアントに伝える
 
という言語の置き換え行為の連続のように見えます。
 
そのとおりではあるのですが、厳密には、この「置き換え」というのは、かならず通訳者のフィルタが入ります。通訳者は機械ではありませんので、元の言語を他の言語に機械的に直訳するわけではなく、いわば通訳者の言葉として他の言語に置き換えて相手方に伝えます。
 
すなわち、何の言語かを問わず、通訳者には表現をするための高い能力が必要になってきます。
クライアントが海外の取引先を訪問し、立ち話の場面で、また、会議の場面でせつな的に出てくる言葉をどのように表現するか、まさにせつな的に判断をしなければなりません。
 
「表現する」ことは「英語や日本語を高い水準で操れる」こととはかならずしもリンクするものではない、というのが現在の当社の見立てです。また、通訳者のパーソナリティも大いに考慮すべき事柄であるというのも、当社の見立てです。
 
パーソナリティのことについては、下記で少し触れています。
 
通訳サービス(取引先との会議)は通訳者の人柄で選ぶのが良い
https://www.tiners-p.com/blog/1029
 
 
いずれにしても、通訳者をお探しの際は、「高い水準で英語ができる人」ではなく、(英語ができることは前提として)「表現が豊かな人」をキーワードにしていただくと円滑ではないかと思います。
 
 
「いちばん間違いないのは、当社をご利用いただくことですよ」
 
という厚顔なことを申し上げつつ、本ページを締めたいと思います。
 
 
タイナーズの通訳サービス 英語 フランス語に対応
https://www.tiners-p.com/interpret.html
 
 

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パンフレットの翻訳~外国人のeye levelで英訳がマル~

 
広告会社様やデザイン会社様から、パンフレットの英訳を頻繁にご依頼いただきます。
 
こないだ少し、施設名などを英語にするときのことを、お客様にいい形でお伝えできましたので、そのことをこのウェブページで共有いたします。
 
たとえば、
 
板町温泉(いたまち おんせん)
 
という銭湯があったとします。
 
露天風呂があって硫黄の匂いがする「温泉」ではなく、温泉旅行に行った先の「温泉」ではなく、銭湯(スーパー銭湯も)の名前の一部になっている温泉です。下町にあるやつです。
 
この板町温泉を英訳しますと、
 
Itamachi Hot Spring

Itamachi Spa
 
になります。
 
板町はそのままですので、温泉をHot SpringとするかSpaとするかの違いではあるのですが、もし可能であれば、Hot SpringでもSpaでもなく、そのままOnsenを用いるのが外国人に親切ではないかと考えます。
 

 
想像していただきたいのですが、
 
バックパッカーの外国人の方が、パンフレットを見ながら板町温泉を探しているとします。
 
たまたま近くを通りかかった地元の人に手に持っているパンフレットを見せながら、板町温泉への道を尋ねます。
 
この外国人は「Itamachi Hot Spring(またはSpa)はどこですか?」と英語で聞くわけなのですが、そのとき、Hot Springよりも、Spaよりも、Itamachi Onsenのほうがそのままの発音「オンセン」になり、(地元の人が)分かりやすいため、結果として、地元の人はこの外国人がどこに行きたいのかすぐに分かります。
 
パンフレット上の英語表記を「Hot Spring」にしたほうがそれっぽく見えますが、でも、来日している外国人のeye level(目線)で考えたとき、日本語そのままを英語にするOnsenを使ったほうが、質問の答えをすぐにもらいやすいということですね。
 
なんでも日本語読みそのままを英語にすればよい、ということではありませんが、「訪日外国人客に日本での過ごしやすさを感じていただく」という視点を持てば、英語表現1つでも、表現を練る必要があると感じます。
 
ちなみに、今回はパンフレットのお話でしたが、こういうことは、ちょっとした案内の紙でも、看板でも同じことが言えますね。
 
 
こちらも読まれています↓
 

Mr.フレイトからの、日本のパンフレットの英語翻訳についての伝言


 
 
パンフレットの翻訳サービスはこちらです。
https://www.tiners-p.com/pamphlet.html
 
 

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就業規則の英訳(英語版)の準備が大切

この文章を書いているのは2019年の1月。
出入国管理及び難民認定法(改正入管法)が4月から施行される予定で、いよいよ外国人労働者の受け入れが本格化します。
 
個人的には、人手不足の事業者さんのところに人材がゆきわたることで社業が安定すればいいなあと思います。
同時に、せっかく失業率がグイグイ下がってきたのに、外国人労働者の受け入れによって割を食う非正規の方々が相当数出てくるんじゃないかという心配もあります。
 
 
さて、日本人であっても外国人であっても、仕事をするという意味ではまったく同じですので、使用者としては、外国人に対しても労働基準法を守る形で仕事をしてもらう必要があります。
 
外国人労働者に対しては、自社の就業規則をしっかり理解してもらう必要があります。
 
といっても、日本にきたばかりの外国人は、日本語は「そこそこ理解できる程度」のレベルですので、日本語の就業規則を渡しても理解することができません。
 
そこで、英文の就業規則の必要性があるわけです。
 
そういえば弊社では、昨年(2018年)あたりから就業規則の英訳のご要望が目に見えて増えてきました。もちろん、外国人労働者を受け入れている会社様(や協同組合)からです。
 
たいていの場合、受け入れる外国人労働者の多くはアジアの出身(ベトナム、ネパールなど)なのですが、だからといって、お客様は、ベトナム語やネパール語への翻訳ではなく、英語の就業規則をご希望されます。
 
お国の事情はよく分かりませんが、ベトナムもネパールも英語が公用語ではなく、学んで使えるようになる(要は日本と同じ)ようですので、本来、就業規則の理解度の高さでいくとそれぞれベトナム語やネパール語のほうが良いのだと思います。
 
まあしかし、言語別の就業規則を準備するというのも、なかなか難儀な話ですので、英語版の就業規則をご準備される方が多いのだと思います。
 
私どもタイナーズでは、就業規則の英訳を日常的に行なっておりますので、お気兼ねなくご連絡ください。
なお、すみません、ベトナム語とネパール語には対応できていませんので、ご了承ください。
 
英訳サービスの詳細はこちらをご覧ください。
https://www.tiners-p.com/english.html
 

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通訳サービス(取引先との会議)は通訳者の人柄で選ぶのが良い


 
本日は2018年12月29日。
年末なので、自社のこんな部分が優れているよねというお話をちょっとくだけ気味にお伝えしてもいいですよね、ということで、自画自賛シリーズまいります。
 
第1回は
 
通訳サービス(取引先との会議)は通訳者の人柄で選ぶのが良い
 
です。(大掃除しなきゃいけなので、第2回はないかも 笑)
 
 
これは、日本の企業(私たちのお客様)と海外の取引先との会議に限ってのことですが、通訳サービスって、通訳をすればOKということではないんです、私たちの基準では。
 
通訳っていうと、その一瞬一瞬である言語をある言語に置き換えるイメージが強いじゃないですか。要は、クライアントが日本で話したことを英語にして海外の取引先に正確に伝える。反対に、海外の取引先が英語で話したことを日本語にしてクライアントに正確に伝える。
 
そういうことではあるのですが、それだけだと足りないと思うんです。
 
 
通訳によって雰囲気が重くなる可能性
 
通訳サービスを利用された方でしたらご経験がおありだと思うのですが、通訳者って淡々としていませんでしたか?淡々と正確に通訳をしていませんでしたか?
 
正確に通訳をするのは当然なのですが、問題はこの「淡々と」した雰囲気なんです。
 
取引先との会議では、カンタンなお話もあれば、ひざ詰めでガンガン交渉をしなければならない議題なんかもあると思います。冗談を言えるときも、言えないときもあると思うんですよ。
ですが、あえて雰囲気を重くしたりトーンを下げたりする必要はなく、やっぱり会議の場面では笑顔があったほうがいいし、笑い声があったほうがいい。これは別に海外の取引先との会議だけじゃなくても、人と話す場面であればどんな場面でもそうだと思います。
 
 
せっかく通訳者がいるので
 
こういうふうに私たちは思っていまして、そして、私たちが大事にしているのは通訳者のパーソナリティです。
 
弊社の通訳サービスでは、カッコよく言いますと、高いコミュニケーション能力を持っている通訳者が、平易に言いますと、とっても人当たりがよい通訳者が、お客様の会議で通訳をいたします。
 
淡々と通訳をするだけなら機械と変わらない。(そもそも機械に会議の通訳ができるかと言えば、少なくとも2018年現在では技術的にNOです)
せっかく通訳者という「人」がいるのだから、その「人」の明るさや優しさを表に出したほうが会議の場面が柔らかくなっていい。ということを私たちは重視しています。
 
ずっとこの思いで通訳サービスをご提供させていただいてきたのですが、この思いが正しいと実感したことがあったんです。
 
ずいぶん前のことになるのですが、長らく(通訳ではなく)英語の翻訳でご依頼をいただいているお客様の自社ビルで、オーストラリアの取引先との会議がありました。(このときはたしかテレビ電話での会議でした)
 
その場に、いわゆる助言者の役割として、うちの代表者が同席しました。
 
そのとき通訳を担当したのは、うちではなく、お客様がこのオーストラリアの取引先との会議の際に昔から利用している大手通訳会社の通訳者でした。
 
その通訳者の通訳は素晴らしかった。
自由におっとりゆったり話すオージーの発言を的確にお客様に伝え、またお客さんが話す日本語を的確にオーストラリア側に伝えていました。
 
無表情で、淡々と。
 
私たちはこのときに思ったんです。
 
「通訳者のせいで明らかに会議が重くなっている。やっぱりこれじゃダメだ」
 
 
通訳にも表情が必要。明るくて優しくて快活な通訳者が通訳をすべきだ、と再確認した時間でした。
 
 
副次的な効果がある
 
そして、通訳者が明るくて優しくて快活であることで、海外の取引先の言葉を引き出すという副次的な効果が生まれるんです。
 
誰でもそうですが、重苦しい雰囲気で話すときと、柔らかい雰囲気で話すときとでは、話しやすさが全然違います。また、海外の取引先の気持ちを考えると、「相手は日本語を話す日本企業の人ばかり、こちらは自分と担当者の二人だけ。なんだかアウェイだなあ。」と。なんだか気分が高揚してきません。
 
そこに、自分と同じ言語をスルスル話す、明るくて快活な通訳者がいると、疎外感を感じず、気持ちが軽くなってきます。
そして気持ちが軽くなると話がしやすくなります。

 
会議の場面ですから、話が弾んだほうがいい。それで雰囲気が柔らかくなり、議題について活発に話し合われます。
 
通訳者はいつしか通訳者ではなくなり、その会議の場面にいる日本の企業(私たちのお客様)の担当者の一人になるんです。戦力の一つになる。
 
お客様がうちの通訳サービスをご利用になるメリットはここにあると思います。
 
 
タイナーズの通訳サービス
https://www.tiners-p.com/interpret.html
 
 

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通帳の英訳 が渡航手続きに必要

 
「海外で仕事(事業)をするためにビザを取得することになって、その手続きで預金通帳の英訳が必要なんです」
 
というのが、私たちにご依頼をいただくケースです。
 
 
たいていの場合、通帳の「表紙の裏」と「直近の記帳ページ」の英訳が必要になります。
 
「表紙の裏」というのは、いわゆる一枚めくったところです。
 
「直近の記帳ページ」というのは、渡航する国によって求められる期間が異なります。たとえば直近の1ヶ月ですとか、3ヶ月ですとか、そんなふうに期間を明示されるはずです。
 
下記の画像がわかりやすいです。
 
通帳に関するヘルプ UFJ銀行
https://directg.s.bk.mufg.jp/refresh/ib_help_sp/bankbook.html
 
 
「表紙の裏」
 
タイトル(総合口座 や 普通預金 など)、氏名、銀行名、支店名、店番や口座番号、そして通帳の説明の文言などが書かれています。
 
原則、すべて翻訳をする必要があるのですが、唯一、判断が分かれるのが通帳の説明文です。
よく「総合口座のご案内」ですとか「当座繰越」がどうこうと言ったような、あなたの通帳の中身のことではなく、通帳の説明そのものです。
これは、普通の感覚では英訳をする必要がないように思います。実際、この部分の英訳がなくても情報として不足するようなことにはなりません。
 
しかし、ビザ取得の手続きはややこしくて、国によってはとても厳しいところがあります。
あとあと面倒なことにならないように、念のため、こういった説明文も英訳があったほうが無難ではないかと思います。
 
タイナーズでは、説明文も英訳に含めます。つまり、「表紙の裏」はすべて翻訳対象にしています。(そのほうが安心です)
 
 
直近の記帳のページ
 
「振込み」や「振替」、「利息」、「カード」、「手数料」、「保険料」、「ローン」、「送金」などなど、摘要欄にたくさんの項目があります。
 
また、お支払金額やお預かり金額の欄には、支払先や送金先の会社(お勤めの会社や保険会社など)の名前などがあります。
そして一番右には、差引残高の欄があります。これらすべてを英訳したものを準備する必要があります。
 
 
残高証明書は別物です。
 
銀行が発行する残高証明書というものがあります。

これは、文字通り、現在時点の残高を証明する書類です。
提出書類に含まれていることがあります。

残高証明書は通帳の代わりになりません(残高証明書の英訳があれば通帳の英訳は提出しなくていいということではない)のでご注意ください。
 
 
タイナーズでは、通帳・残高証明書の翻訳を行なっています。
 
納品までの流れ
https://www.tiners-p.com/process.html
 →流れをご説明しています。
 
無料見積もりフォーム
https://www.tiners-p.com/mitumori.html
 →料金と納品スケジュールをご提示いたします。
 

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WC を日本語で言うと

 
とても久しぶりの「この英語を日本語で言うと」シリーズ。
 
今回は、
 
WC
 
です。
 
先に言っておきますが、トイレではありません(笑)

WC 20th Augustなど、日付まわりで用いられる表現です。
 
これは、Week Commencingの略です。

start of the week dated、日本でいうところの「8月20日の週」というやつです。
 
 
今回、たまたま海外の取引先とのメールで、WCが出てきまして、文脈的にWeek CommencingかWork completedのどちらかだと思って、海外担当者に聞いたところ、Week Commencingが正解でした。
 
 
海外の取引先とのメールの対応など、継続的な翻訳が必要でしたら、月極めのプランがお使いいただきやすいです。
 
月極めの翻訳サービス
https://www.tiners-p.com/iemail.html
 

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新株予約権の英訳(登記簿の項目です)

 
会社の登記簿(履歴事項全部証明書)に、新株予約権の項目があります。
 
といっても、ほとんどの法人ではこの項目はなく、上場企業あるいは大規模な法人、そしていわゆる中小企業の一部が、この新株予約権を用いているのではないかと思います。
(膨大な法人数の登記簿を、調べようもありませんが)
 
きっと今、このページをご覧の方は、大企業、とりわけ持ち株会社(ホールディングス)のIRの部署にご所属の方が多いのではと思っています。
 
 
さて、この新株予約権。正しい英訳は、
 
Share options
 
です。
 
これが正解で、これ以外の表現は不正解です。
 
と言いたいところですが、けっこう新株予約権の英語表現は複数あり、判断が分かれるところですので、参考までに、よく見かけるものを3つほど、列挙していきたいと思います。
 
 

 
 
stock option (正しい。でも、)
stock(株式)のoption(権利)という意味であるため、字面だけを見ると合っています。また、アメリカ英語では、shareの変わりにstockを用いる、ということが言われており、その点からもこの表現は正しいです。(しかし、弊社のアメリカ人翻訳担当者は、そうだっけ?share optionのほうが良いと思うけど、と言っていましたが。)
いっぽうで、ちょっとややこしい話ですが、日本の法律でうたっているストックオプションは、新株予約権を構成するものの一つであるため、英語表現でstock optionを用いると、ちょっと混同するのではないかなあという懸念もあります。
 
 
Equity warrant(たぶん正しい)
合っていると思います。「思います」と言ったのは、意味を見ると、Equity(株式)のwarrant(ワラント、債)ですので合っているように見え、また、辞書などでもEquity warrantを新株予約件としているものが多いからです。ですが、実際のところ、弊社の長い翻訳経験の中でも、文書や海外取引先とのお話しの中で、Equity warrantが使われたことがないのです。ですから、経験則的に、あまり用いないほうがいいのかなと考えています。
 
 
Stock acquisition right(正しい。分かりやすいかも)
合っているように見えます。そのまま日本語にすると、Stock(株式)の acquisition(取得の) right(権利)。なんとなく日本語の直訳英語のように見えますが、ドンピシャで合っているように見えます。実際のところ、日本を代表するような企業(車の会社やポータブルの音楽再生機器で一世を風靡した会社や、球団を持っているインターネット系の会社)でもよく使われています。
ちなみに、かのGoogle先生(Google翻訳のことです)でも、新株予約件を検索するとこの英語表現が出てきます。
分かりやすいと言う意味では、使い勝手が良いように思います。
 
 
と、このように、案外、Share options以外にも、結構使えるものがあります。
 
総じて、新株予約権のような法律に基づいた用語というのは、厳密に言うと、その国ごとにどのようなものであるかを細かに精査することで初めて正確な英語表現にたどり着くのかなと思います。
 
これは、翻訳業務を行なう私どもの領域の話ですが、ある言語を他の言語に翻訳するときは、言葉合わせのパズルゲームではなく、その言葉が用いられる背景のところまで理解するように努めるのが必要だと考えます。
 
まあしかし、登記簿(履歴事項全部証明書)の新株予約権の英語表現では、Share optionsを使えば間違いないと考えて差し支えありません。
 
 
持ち株会社様、中小・零細企業様からのご依頼多数
タイナーズの登記簿(履歴事項全部証明書)の翻訳サービスはこちらです。
https://www.tiners-p.com/certificate.html
 
 

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戸籍謄本の英訳を大使館に提出するときのハテナ

 

今回共有したいのは、戸籍謄本を英訳したものを大使館に提出するときのことです。

 

本人が英訳する場合と第三者が英訳する場合とがあり、第三者というのはたいてい私たちのような翻訳会社です。

第三者翻訳の場合は、翻訳証明といって、「私たちがたしかに翻訳しましたよ」という文言とハンコ(あるいはサイン)を入れるわけですが、このことで、こないだ興味深い出来事がありました。

 

翻訳証明は、戸籍謄本の英訳文書内に埋め込む?別途、文書として準備する?

 

戸籍謄本の英訳原稿の最下部に翻訳証明をつけて、お客様が提出したところ、大使館から「翻訳する個人または会社側が翻訳したことを証明する書類が必要」という指摘がありました。

翻訳証明とは、まさに「翻訳する個人または会社側が翻訳したことを証明するもの」であるため、おかしいなあと思い、お客様とお話をしまして、「大使館は書類と言っているので、翻訳証明は戸籍謄本の英語版の下に付けるのではなく、別途書類として準備するのかな」という結論に至り、別途準備しました。

証明の文言は一字一句一緒です。日付もハンコももちろん一緒。

これを提出したところ、「OK」とのことでした。

 

このことでよく分からないのが、別のお客様の事例で、翻訳証明を戸籍謄本の英語版の下に付ける形でOKでした。そして、今回のように、別途書類として準備すればOKということもあり、その時々によって要求される内容が変わるということなのです。

まったく同じ翻訳証明を戸籍謄本の英語版の下に付けるのと別途書類にするのとで、そんなに違いがあるのかなと不思議に感じました。また、そのときによって要求が異なるということは、どちらでもいいことなのでは?と思いました。

 

 

翻訳の資格を有する者が翻訳する?

 

そしてもう一つ、「ん?」と思いましたのが、お客様によると、大使館が「第三者翻訳の場合は、翻訳の資格を有する者でなければならない」と言っているとのことでした。

一部の国には公的に認定された翻訳制度がありますが(オーストラリアのNAATIなど)、日本では、弁護士さん司法書士さんとは異なり、翻訳は資格制度ではありませんので、「公的な認定を受けた翻訳者」という概念がありません。

考慮する必要がないと思い、大使館にこのことを伝えたところ、「じゃあOKです」とのことで、あっさり通りました。

 

 

こういった少し不思議な状況になるのは、おそらく、大使館はビザ発給のためのサポートセンターではありませんので、こまやかな個別対応は行っておらず、しゃくし定規に必要なものを答えていらっしゃるからかなと思います。(無理もありません)

そのために、書類を提出する側(ビザをいただきたい側)からみますと、ハテナになるのではないかと思います。

 

細かなところのお話はありますが、いずれにせよ、戸籍謄本の英訳と翻訳証明があれば大丈夫、というのは間違いありませんので、そういう意味では安心ですね。

 

 

翻訳証明付きの戸籍謄本の翻訳サービスはこちらです。
http://www.tiners-p.com/family-register.html

 
 

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推薦状を英語にする時は、まずは日本語に注目する

 

この仕事に携わるまで自分もまたそうであったのだけれど、「翻訳」って原文に基づいて“忠実に”“過不足なく”変換されているものだと思い込んでいた。

それは正解であり、同時に不正解でもある。

もちろん決してネガティブな意味ではなく、読み手に対しては常に誠実で友好的である、ということは大前提の上で、だけれども。

 

実際、翻訳という仕事に携わるようになって、“原文のまま”であることにこだわることが本当の意味で「誠実」であるかについては、毎日のように自問自答しています。

私たちが主に手掛ける推薦状の翻訳について、いつもまず自分に言い聞かせることが、お客様からお預かりした原文の内容が、第三者的に見て「ポジティブ」で「成熟」した、まあざっくり云えば“大人の”文章であるかどうか、それを見誤らないように充分気を払う、ということにあります。

寄せられる多くの推薦状原文が、そのまま翻訳しても申し分のない質の高いものではあるのですが、時にはこちらで手を入れないと受かるものも駄目になりそうな内容のものがあったりもします。

 

とはいえそこは「推薦状」、おいそれといじってよいものでは、ない。

 

お客様にしてからが、指導教授や勤め先の上司に書いて“いただく”ものであり、内容についてとやかく言える立場ではない。ましてや私たちはその推薦状を留学先の母国語に翻訳するのが職務であって、文章の推敲については本来、タッチすべきでないと心得ています。けれども、、、せっかくご縁あってご依頼いただいたのに、明らかに不適切だとわかっている推薦状原文を、そのまま翻訳するなんて人情味のないことは、できない。。。

さりとて。そこはやっぱり「推薦状」、書いていただいたご本人以外に、誰かが勝手に改変してよいものでは、ない。。。。。。

 

さてどうしたものか。

 

煩悶自問を繰り返し繰り返し、もんどりうってのアクロバティックな着地点として、タイナーズでは、原文(日本語)を好意的に解釈し、英語表現に変換する際、よりよい方向へと持ってゆくよう、ブラッシュアップする。原文(日本語)の意味を変えることなく、より好意的に、より上質な表現を構築し、翻訳作業の中でポジティブな文章になるよう転換してゆくのです。

そうすることで、内容としては同じことを伝えているのに、表現としてはよりよくなっている、というマジカルな展開が可能となります。

 

これがタイナーズの推薦状翻訳の最大の特徴でもあり、

(1)原文(日本語)の精査

(2)翻訳

と、エンドテキストのアップまでに大きく2段階の作成過程を踏みます。

 

 

せっかくなのでここからは、実例を交えて作業の一端をお目に掛けましょう。原文(日本語)の意味を極力変えることなく表現がどのように変わるのか、とくとご覧ください。

 

少し長いですが、まずは原文から。


※クリックしますと、全文が開きます。

 

さていかがでしょうか。

 

精査のポイントは、次のような要点になります。

 

【文章が未成熟】

例文全体にわたって云えることなので抜粋はしませんが、ある事柄に対しての言い表し方が不統一であったり、改行や句読点の不適切さからくる読みにくさ、専門用語や固有の特別な単語を括弧くくりにしないことによる伝わりにくさ、などが文章の成熟度を著しく落としてしまいます。

 

【てにをはの誤り】

これも、例文全体に散見していますねえ、特に見落としがちになるのが冒頭に人称代名詞を持ってくる場合で、「彼に」とか「彼が」と始めたあとに続く文章とで「てにをは」(接続詞)が噛み合わなくなって歯切れが悪くなる。一つの段落が長文になればなるほど起こりやすい誤りです。リズムも悪くなりますしね。私見ですが、文章って音楽に近いと思いますから、リズムは非常に大事です。

 

【表現が未成熟】

うちの会社は、現在国家プロジェクトのリニア新幹線開通のその先の次世代の新型の車両について、陸のコンコルドとも呼ばれる音速の新型車両についての開発のプロジェクトを行っているが、20年以内の完成と運行の実践を目指していて、もう国の了解も取り付けてある。

“文章の未成熟”と“表現の未成熟”の違いはとても繊細なものなのですが(笑)、例えばこれ、決して間違いではない。相手さんを指して「あんたの会社」などと不届きなことを言うのはどうしようもない阿呆ですけれど、自分の所属を表現するのに、居丈高にさえならなければ間違いとは云えない。けれどここは無難に「弊社」と表現したいところ。

 

【ネガティブな内容】

で、プロジェクトを進めるのに、国や自治体の状況を踏まえるのは当たり前の大前提として(わざわざ言うまでもないことだが)、その上でうちの会社の全員が

例文には広い受け取り方でのネガティブ要素が散見していますが、一番わかりやすいのがこの箇所です。
“わざわざ言うまでもないことだが”はあまりにも余計(←というこの表現も実は「重複」なのですが、強調と皮肉を交え、あえて使うというのは表現のテクニックです)。

 

【言葉が重複している】

その上でうちの会社の全員が一丸となって取り組むべき大きな重大な課題で、この先20年を乗り切っていくための組織や要員や人材の組み合わせはプロジェクトの肝心な肝になってくる。

場合によって重複は、強調表現になり得るものですが、けれどこれは稚拙。単なる稚拙。

 

【言葉の使い方に誤りがある】

これらの彼のワーキングで、次世代車両開発のたたき台のプランニングの推進スケジュールを確立させ、現在はその敲き台に基づいて次世代車両の開発の各部の進捗の管理とか調整とかを、現在は彼の手を離れて行っている。本社配属たったの1年目で、国家プロジェクトの一翼を担っていた彼のマネジメント能力は他の誰も足元に及ばないぐらいの他に代えがたい惜しい人材で忸怩たるものがあるだろう。

う~ん(苦笑)。例文にはそこかしこにグレーゾーンな箇所が散見していて、気にし出すとあれもこれもとあげつらいたくなるのですが
「惜しい人材」ってともすればネガティブ表現でもありますし、「忸怩たる」って“恥ずかしい思いが湧き上がること”ですからね、ここで使うのは明らかにおかしいでしょう。

 

【同じことの繰り返し】

うちの会社は、現在国家プロジェクトのリニア新幹線開通のその先の次世代の新型の車両について、陸のコンコルドとも呼ばれる音速の新型車両についての開発のプロジェクトを行っているが、20年以内の完成と運行の実践を目指していて、もう国の了解も取り付けてある。
プロジェクトを進めるのに、国や自治体の状況を踏まえるのは当たり前の大前提として(わざわざ言うまでもないことだけれども)、その上でうちの会社の全員が一丸となって取り組むべき大きな重大な課題で、この先20年を乗り切ってくための組織や要員や人材の組み合わせはプロジェクトの肝心な肝になってくる。
この組織とか要員の「誰が、何を、いつまでに、どんな感じで推進するか」ということの全体の草案の敲き台を作成したのは彼なのだった。この先20年規模の大きなプロジェクトに彼が着任して以降、プロジェクトに発生しそうな問題点について彼が関係者と問題点についてヒアリングして洗い出して、その上で、組織とか要員とかの規模や配置の箇所や採用や関係している協議の事項の洗い出しなど、関係者に協力してもらったとはいえほとんどを彼が真ん中になって動いて、組織のデザインのplanningとか業務の内容やら運用の方法などを決めていった。
これらの彼のワーキングで、次世代車両開発の敲き台のプランニングがの推進スケジュールを確立させ、現在はその敲き台に基づいて次世代車両の開発の各部の進捗の管理とか調整とかを、現在は彼の手を離れて行っている。
本社配属たったの1年目で、国家プロジェクトの一翼を担っていた彼のマネジメント能力は他の誰も足元に及ばないぐらいの他に代えがたい惜しい人材で忸怩たるものがあるだろう。

この箇所は、“言葉を変えて、同じことを繰り返しているだけ”だと感じますね。一見、内容は更新されながら進行しているような印象を受けるのですが、よく読んでみると実は同じことを繰り返して伝えている。そしてそのせいで若干嫌味に聞こえる(苦笑)。
けれどこれは文章を書く際に最もおちいりやすいトラップで、本当に、気をつけないと、うっかり“異音同意ループ”に入っちゃいます。まあその分、読み返してみれば精査すべきポイントが浮き彫りになって容易に判別できるので、手直しを見落とすってことにはなりにくいのですけれど、も。

 

 

さてさて。長々と要点を連ねて参りましたが、以上を踏まえてご紹介の例文がどのように生まれ変わるのか、ご披露いたしましょう。

 

 


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いかがでしょうか。

原文とはまるで別物、とお感じになるでしょうか。

 

そう、一読すると、別物です。

 

けれどよくよく読み込んでいただくと、内容は全く変わっていないことにお気づきになるかと思います。

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