瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の

fall

 
「瀬をはやみ 岩にせかるる 滝川の われても末に 逢わむとぞ思ふ」

 

これは、小倉百人一首にも選ばれた、崇徳院の有名な和歌です。

 
意味は、川の瀬の流れが速いので、岩にせきとめられた急流が二方に分かれても、また先で一つに合わさるように、いま二人が別れても、きっと将来いっしょになろうと思う、といったようなことです。

 

今年のNHK大河ドラマの「平清盛」に、三上博さん演じる崇徳院が登場しているのを見て、ふと思い出しました。

 

 

この和歌を初めて知ったのは、確かマンガからでした。

 

大和和紀さんの「ハイカラさんが通る」で、ストーリーを貫くモチーフとして使用されていました。このマンガはアニメ化、実写映画化もされました。そして、この和歌を知ったおかげで、中学のとき、授業のコマのなかで行う週一の文化系クラブでは、迷わず百人一首クラブを選びました。

 

 

カルタに毛が生えた程度だろうとタカをくくっていたのですが、実際にやってみると百人一首競技は、あきらかにスポーツです。

 

立て膝の姿勢を維持するための筋力、見つけた札をすかさず飛ばす瞬発力、そして、百首の上の句、下の句を完璧に記憶することはもちろん、札の配置をすばやく記憶し、読み手の発する最初の一文字から下の句を検索する検索能力も必要なのです。

 

学校代表として、県の大会に学校代表として出場したのですが、対戦校のあまりのレベルの高さにあっけにとられ、ほとんどお手上げ状態だったことを憶えています。

 

 

最近は、落語を聞くようになったのですが、落語にも「崇徳院」という話があります。大店の若旦那とお嬢さんのほのぼのとした一目ぼれの恋の話で、聞くとほっこりします。

 

この和歌は、マンガ、百人一首、落語と何度も姿を変えて、私を楽しませてくれる、すごいパワーを持った和歌です。

 

 

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